◆ アトムが迎える学生街・高田馬場
東京をぐるりと一周する山手線。
30の駅には、それぞれ違った街の表情があります。
みなさん、こんにちは。
「駅ぶら|駅も街も楽しむよくばり散策」のかっつんです。
シリーズ第22回は、
学生街として知られる「高田馬場駅」です。
早稲田大学や専門学校が集まる街ですが、歩いてみると、鉄腕アトムの壁画にレトロな商店街、静かな古刹まで、意外な表情がぎゅっと詰まっていました。
今回は駅前からさかえ通りを往復し、戸山公園方面へ。諏訪町交差点から早稲田通りを通って駅へ戻る、約1.5時間のコンパクトなコースです。
ぶらりと歩ける距離に、学生街の活気と、ちょっと懐かしい空気が同居していますよ。
カメラ片手に、ゆったり散歩していきましょう。
👉 山手線シリーズの詳細はこちらのページでご紹介しています。
◆ 高田馬場駅とはどんな駅?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開業 | 1910年(明治43年)9月15日 |
| 乗車人員 | 約18万人/日(2024年度・JR東日本) |
| 接続路線 | JR山手線・西武新宿線・東京メトロ東西線 |
高田馬場駅は、山手線の駅として1910年(明治43年)に開業しました。JR山手線、西武新宿線、東京メトロ東西線の3路線が集まる、新宿区北部のターミナルです。JR東日本の1日平均乗車人員は約18万人。
JR線としては山手線だけが停車する駅の中で、最も利用者が多い駅とされています。朝から晩まで、学生さんとビジネスパーソンの流れが途切れません。
⚫︎ 出口はふたつ
JR高田馬場駅の改札口は、早稲田口と戸山口の2つ。まずは駅ぶらのスタート地点になる早稲田口から見ていきましょう。
・早稲田口
目白寄りにある、駅の顔ともいえる大きな出口です。改札を出ると、バスロータリーとBIG BOXが目の前。早稲田通りをまたぐ高架下には手塚治虫作品の壁画が広がり、さかえ通りの入口もすぐそこです。今回の散策はここからスタートしました。
・戸山口
南側にあるもうひとつの出口で、戸山公園や早稲田大学の西早稲田キャンパス方面へ向かう人が多く利用します。緑を求めて歩くなら、こちらも選択肢です。
◆ 高田馬場駅を楽しもう!
● 高架下で「鉄腕アトム」に会う

早稲田口を出てすぐ、JR線と西武線の高架下には、鉄腕アトムをはじめ手塚治虫作品のキャラクターが描かれた大きな壁画があります。暗くなりがちなガード下を明るくしようと、地元の商店街振興組合が動いて実現したもので、設置はJR線側が1998年、西武線側が2008年。テーマは「ガラスの地球を救え」や、過去から未来へ続く時間の流れです。
高田馬場がアトムの街なのは、手塚プロダクションが近くにあることに加えて、作品の中でアトムが「高田馬場にある科学省」で誕生した設定だから。街のあちこちにアトムがいるので、探しながら歩くのも楽しいですよ。
● 発車メロディも「鉄腕アトム」

山手線ホームの発車メロディも「鉄腕アトム」。2003年3月から使われていて、地元の商店街振興組合がJR東日本に働きかけて実現したものです。当初は期間限定の予定でしたが、大好評で今も続いており、各地に広がった「ご当地駅メロ」の火付け役ともいわれています。ホームでぜひ耳をすませてみてください。
● 駅前のランドマーク・BIG BOX

バスロータリーの正面にそびえるのが、西武鉄道グループの商業ビル「BIG BOX(ビッグボックス)」です。開業は1974年5月5日。設計は、のちに世界的建築家となる黒川紀章さんが手がけました。もともとは「西武スポーツプラザ」として生まれたビルで、壁面に描かれた走る人のマークが目印。今も待ち合わせ場所の定番です。1〜2階にはショップ、上の階にはボウリング場や飲食店なども入っています。
◆ 高田馬場駅で食べる!
● 駅近でサクッと!おなじみのお店

駅周辺を歩くと、ゴーゴーカレー、バーガーキング、KFC、東京麺珍亭本舗など、おなじみのお店がずらり。学生街らしく、ふらっと入りやすいお店が多い印象です。さかえ通りや早稲田通り沿いにも飲食店が多いので、時間がないときも、じっくり選びたいときも困りません。
● ちょっと個性派、こだわりのお店

つつじ通りで見つけたのは、相鉄グランドフレッサ 高田馬場の1階にある洋食レストラン「the WU(ザ・ウー)」の立て看板。ほかにも、カフェの「NEW WORKS Café」や、玄國寺の近くにあるインド・ネパール料理の「JAY GANESHA」など、気になるお店が点在しています。近年はミャンマー料理をはじめとするアジア系のお店も増えているそうで、食の選択肢は本当に多彩です。
◆ 高田馬場駅周辺を歩いてみる
● さかえ通りエリア

早稲田通りを渡った先に入口が見える「さかえ通り」は、全長200mほどの短い商店街。居酒屋や食堂、ファストフードなど飲食店がぎゅっと集まっていて、店が途切れると神田川に突き当たります。
この通りは、もともと戸塚から落合・江古田方面へ通じる古道が早稲田通りと合流する場所。江戸時代には茶屋や一膳飯屋が並んでいたそうです。1927年(昭和2年)に西武鉄道の高田馬場駅が開業してからは、さらに人通りが増えたといわれています。
● つつじ通り〜戸山公園方面エリア

さかえ通りを往復したら、戸山公園方面へ。都道25号沿いの大通りには高層ビルが並び、街路樹の続くつつじ通りは、早稲田通りよりも少し落ち着いた雰囲気です。この道は、新大久保方面へと続いていきます。
諏訪町〜玄國寺エリア

諏訪町交差点は、明治通り(都道305号)が交わる場所。「諏訪町」という旧町名は、近くの新宿諏訪神社に由来します。そのすぐそばにあるのが、真言宗豊山派の「玄國寺」です。1601年(慶長6年)ごろの創建と伝えられ、かつては諏訪神社の別当寺でした。境内には、田植えの時期に旅の僧の姿になって手伝ったという「田植地蔵」の言い伝えも残ります。にぎやかな駅前から少し歩くだけで、ぐっと静かな空気に変わるのが印象的でした。
帰りは早稲田通りを駅方面へ。飲食店が続く通りなので、ぶらぶらお店をのぞきながら歩けます。
◆ 高田馬場駅のいま、むかし

駅名の元になったのは、江戸時代に弓馬の稽古場だった「高田馬場」の史跡です。1694年(元禄7年)にここで堀部安兵衛(のちの赤穂四十七士のひとり)が決闘をしたという「高田馬場の決闘」でも知られ、決闘の碑は水稲荷神社に残っています。
ところが、実際の馬場跡があったのは西早稲田三丁目で、駅からは1kmほど離れています。駅ができるとき、地元では「上戸塚」「諏訪之森」といった駅名案もあったそうですが、選ばれたのは少し離れた史跡の名前でした。1975年の町名変更では、駅名に合わせて周辺が「高田馬場」の町名になり、駅名が町名になるという逆転の経緯があります。
いまの高田馬場は、御茶ノ水と並ぶ全国屈指の学生街。大学や専門学校、予備校が集まり、若い人たちの活気にあふれています。昔の馬場が、いつしか「学びの馬場」になったのかもしれませんね。
◆ 高田馬場駅の知っ得情報
- 駅名の読みは「たかだのばば」。駅が本来の馬場から離れているため、わざと濁らせたという話が伝わっています。
- 鉄腕アトムは、作品の中で2003年4月7日に高田馬場の科学省で誕生した設定。発車メロディは、その誕生に合わせて始まりました。
- 発車メロディは、外回りと内回りでアレンジが少し違うといわれています。ホームで聴き比べてみては?
- BIG BOXは、西武鉄道にとって初めての駅ビルだったそうです。

◆ 今日のぶらぶらルート
高田馬場駅→ さかえ通り→ 都道25号(戸山公園方面)→ 諏訪町交差点→ 早稲田通り→ 高田馬場駅へ戻る
- 歩行距離:約3km(目安)
- 所要時間:約1.5時間
・早稲田大学や学習院大学方面まで足を延ばすと、さらに学生街らしさを楽しめそうです。ただし、その場合は「ぶらり」ではなくなるかも?
◆ まとめ|高田馬場駅はこんなところ
高田馬場駅は、学生街の活気とアトムの街の遊び心、そして江戸の名残まで感じられる、ぎゅっと詰まった駅でした。さかえ通りのレトロな空気、つつじ通りの落ち着いた大通り、玄國寺の静けさ。歩く道ごとに違う表情に出会えるのが、この街の面白さです。少し短めのコースなので、初めての駅ぶらにもぴったりですよ。
高田馬場駅の駅ぶらはこんな人におすすめ
- 鉄腕アトムや手塚作品が好きな人
- レトロな商店街や、気軽な食べ歩きを楽しみたい人
- 学生街の空気を味わいたい人
- にぎやかな街の近くで、静かな寺社にも立ち寄りたい人
- 1〜2時間でコンパクトに散歩したい人
次回予告:新大久保駅周辺を駅ぶらします
次回は、高田馬場駅の隣、新大久保駅周辺を歩きます。駅間はおよそ1.4km。今回歩いたつつじ通りも、新大久保の方へと続いています。韓国料理やコスメのお店が並ぶ「コリアタウン」で知られる、国際色豊かな街です。次回もお楽しみに!
※本文中の写真はすべてイメージです
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回の駅ぶらもお楽しみに!


